八十分間世界一周

 ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンふつかめ。
 きょうは主人同伴です。「Facebookを見てると、ぼくのともだちがけっこう会場に行っているみたい」との主人の発言があったため、ひさびさにフルメイクしました。
 チケットを購入した公演が、わりと夜遅くからの時刻のものだったので、午後、ゆっくりおでかけ。
 お天気はきのうより恵まれて、屋外広場はケータリングワゴンで盛況でした。テントのしたのテーブル席で、ごはん。
 某有名ビール会社のブースで買ったワインが、なにかの陰謀かというくらい不味くて(くだものを醸してできたというより、工場で化学変化させて製造したものを紙パックに詰めた味がした)泣けてきたのと、用を足したいときはTOKIAまで足を伸ばしたほうが並ばずに済む、ということを、来年以降の自分のために、ここに記しておきたいと思います。
「サクル・リュス」にちなんで、帝国ホテルのキッチンカーのボルシチを食べて(たのしみにしていたピロシキは、売り切れだったの)、世界一周を開始。いままで食べたなかでいちばんおいしいナンつきのインドカレー、ちょっとアメリカ大陸に足を伸ばしてタコライス、アフリカ大陸成分が足りんということで、クスクス等を売っていたワゴンでクミンの効いたチキン料理を調達。ヨーロッパ枠をロシアに代表させるのはなにか抵抗があるなーと、さいごはカプチーノとカフェラテ。
 そうこうするうちに、広場内のステージよりスカっぽいアレンジで演奏されるロシアン・クラシックの音が……。なんだなんだ! とステージに駆けつけると、渋さ知らズの無料コンサートでした。やったね! みんな立てノリで口ずさむ「白鳥の湖」や「一週間」。私、あんなに大人数で「白鳥の湖」を歌ったの初めて! MCもおもしろそうだったのですが、公演の時刻が迫ったので、後ろ髪ひかれつつその場を離れました。
 おめあての公演は、ボロディンのノットゥルノとショスタコーヴィチピアノ五重奏曲。今回、私はラフマニノフショスタコーヴィチを聴きたくて、主人はアンサンブルを聴きたがったので、こういう選択になりました。どちらの曲も、あした公開される映画のBGMとしてつかわれていても違和感なさそうな、古臭さを感じさせない、きれいなメロディ。
 ざんねんだったのは会場のB7ホールが音楽専用ではなくて、設置された反響板もすくなかったこと。音があまり響かず、演奏家がすこしかわいそうになりました。おととし聴いた講演は音楽向きのCホールでのものだったから、有料コンサートも会場によってこんなに音に違いがあるなんて、考えが及ばなかったの。
 来年は、そのあたりも考えて公園を選びましょうと思いました。そして結局、主人のともだちとはニアミスすることはなかったけれど、来年はちゃんと初日からお化粧して臨もう……。