うちあけ話
「僕ね、絹子にうちあけなきゃいけないことがあるの」
主人がいつになく真剣な面持ちで話しだしたので、いったいなにごとかと身構えたところ、
「『生まれてくる子は男の子でも女の子でもどっちでもいいよ』ってこないだは言ったけど、僕、ほんとうは男の子のほうがいいんだ」
とのことでした。
あらー。
まあー。
「大丈夫! 私はぶっちぎりで女の子のほうがいいから! 赤ちゃんの性別がどっちで生まれても、夫婦のどっちかはうれしくてどっちかはざんねんで勝率5割(?)だからよかったじゃない! 心配しないで!!」
と請け合うと、
「ああ……そう……そうだね……?」
と、うまく得心がいっていないような声音であいづちを打たれました。
それでその話は終わり。
……だったはずなのに、なんだかさいきん、主人がおこづかいで買ってきて自宅で食べているおやつが「男梅」で、
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おとこうめ……、
男産め……?
なにかメッセージが込められているのかしら、私の気のせいかしら、それともこれがマタニティブルーってやつなのかしら、と訝る日々がつづいています。
夏バテとつわりとウイルス性胃腸炎の日々が過ぎたので、ひさびさに日記を書いた次第です。
ぶじに生まれてきてくれれば男の子でも女の子でもどちらでも万々歳だけれど、しかしながらそのうえで、ぶりぶりのエプロンドレスを作って着せてみたいという夢もひろがる五カ月なのでした。