戌の日と、いろいろ

 初詣兼戌の日のお参りへ。
「五ヶ月目のさいしょの戌の日」は、ほんとうは先月だったんだけど、年末進行でそれどころではなく。まあ、こういうのは、いつ行くかより、とにかく行くのが大事というスタンスなので、あまり気にしません。場所も、安産祈願で有名なお宮ではなく、地元のお宮です。理由は「ぶじ生まれたあと、安産のお札やお守りを、初宮参りのついでに納めればいいから、らくちんだ」です。
 それでも境内は混んでいて、初詣の人出がまだまだあるようでした。御祈祷はさすがに安産祈願ばかりなのかなあと予想していたら、実際にはそんなことはなく、ほかに初宮参りも、七五三も、学業成就もあり、人生の縮図! という感じで、逆に、私とおなかのひとのいまこのときも、人生にたくさんあるフェーズのうちのひとつにしかすぎないのねえと、なにやら、圧倒される気がしました。
 家内安全の御祈祷でお札のほかに破魔矢も授与されるのは十五日までなんだって! ということがわかったのも、収穫。
 一月後半の神社周辺は、例年の元旦の初詣の際はお休みだった個人商店などもひらいていて、なかなか、行き帰りのお買いものも、たのしかったです。松の内(我が家のほうでは七日までをさします)のお参りは人混みで阿鼻叫喚だから、来年以降、ちょっとずらしてお参りするのもいいかも。
 帰りみちに寄った、初詣帰りの恒例の喫茶店も、例年と違って、しずかな雰囲気。そのなかで、はしたなくもさっそく、授与品の中身の検分しました。お札と、お守りと、お宮の印と紋入りのさらしの帯と、お供物。いつもの落雁かなあと思いつつお供物の箱を開くと、これが大量の飴、それも梅味多し、でした。妊婦あてだからかな、つわり対策に梅味っていう心遣いなのかな、しかしふつう安産祈願に来るタイミングだとつわりはおさまっている妊婦さんが多いのでは……といろいろ考えたのですが、たぶん、これまでの人生でいちばんかわいいお供物だったように思います。
 夜。
 そういえばそろそろ胎動を感じてもいい週数なのに、下腹部がすこし重たい気がするだけで、ちっともそれらしいものを感じない。ほんとうに育っているのか、病院で診てもらったほうがいいのかなあ、と夫婦で話し合って、お腹に向けては、「元気だったら、ちょっと動いてみてくださいよー」と声をかけたところ、やおらお腹から、
 ぽこん
 と、海底からのぼってきた水泡が水面の波間ではじけたような、ささやかな音がして、こ、これが、もしかして、胎動……! と感激しました。
 ていうか、胎動ってリクエスト制だったのね……。
(たぶん、ちがう)