はじめまして、っていう気がしなかった。
6月14日に、3,020グラムの女児を出産しました。
じつは出産予定日が元彼の誕生日といっしょ! でして、
「日付って366種類もあるのに、よりによってどうして……。その日だけは避けてほしい……」
と、初診以来、微妙にゆううつにすごした妊娠期間だったのだけれど、あっさりと予定日超過。
さらに、
「平日は、いちにちのうち18時間は自宅にひとりなのに、そのあいだに産気づいたり破水したらどうしよう、自分だけで対応できるだろうか……」
と不安で悶々としていたら、前駆陣痛らしきものもなし。
けっきょく、計画入院して陣痛誘発剤の使用ということに相成りました。
プロにちゃんと管理された環境下で陣痛がはじまって、安心して産めたからいいんだ。お母さんの気持ちを察してお腹に留まっていた親孝行な子なんだよ、きっと! と、前向きに考えることにしました。
いやしかし、陣痛があんなに痛いことだとは!
陣痛の痛みを表現するのに、よく「鼻からスイカが出てくるくらい痛い」というでしょう?
出産まえは私、
「いやいや〜。ていうか、スイカって。なんでスイカ」
くらいに思っていたのです。
が。産んだあと振り返ってみると、
「……スイカだった……」
としか思えません。なるほど。ちょう的確。
陣痛に付き合った主人曰く、その際の私は、
「ヒトじゃなかった」
のだそうです。ケダモノだったらしいのです。
分娩室に移動する直前はもう、陣痛カウンターのアプリを主人に操作させていました。本人じゃなくても、はたから見ているだけでいつ陣痛で、いつ遠のいたかがわかったそうで。いろいろむきだしだったのねー。本能のままって感じねー。
そうして明け方に生まれた娘には、額のぐるりにくぼみがあって、
「あっ、ここでいったん、いきむのに疲れちゃったんだ。骨盤で頭がい骨を締めちゃったんだ……」
ということがよくわかりました。
なんで人類をこんな出産方法にしたの! 神様のばか!!
出産後、実母に、
「あんなに痛いなんて思わなかった! もう出産なんてしない! それかつぎは無痛分娩にする!」
と訴えたところ、
「出産の痛みなんてそのうち忘れちゃうのよ。そうじゃないと人類は滅亡していたでしょ」
という返答。そ、そうなのか……? 三人自然分娩したひとがいうと、みょうな説得力。
いや、私は忘れない!
お腹と腰が交互に痛くなって、お腹が痛いとき楽な姿勢だと腰が痛いとき苦しくなるし、逆もまたしかりなんだよ!!
「もう下から産むのはむり! 帝王切開にして!!」
と陣痛ちゅう、さんざん訴えたのに病院関係者にはあっさりスルーされたので、ほかの妊婦さんもみんなこれくらい痛がっておんなじこと口走っていたんだと思うわ。
……私はもう三十代(も半ば)で、人生のイヴェントのたいていのことは経験済みだと自分では認識していたけれど、妊娠出産は、未だ残されていた数少ない「初めてのこと」のなかでも、規模の大きなことだったように思います。
そして、後戻りできないステージ「子育て」に突入したなあという感じ。
(「結婚」のステージは後戻りできる)
あと、娘は予想通り「被布顔」(id:moony:20130314#p1)でした。はじめまして、っていう気がしなかった。