11ヶ月めの真実

 6月14日生まれの娘は、まいつき14日に定点観測的に、自宅で写真を撮っています。衣装は、そのころよく着ている服。小道具は、そのころブームでよく遊んでいるおもちゃ。そして背景というか、床には、こんなふうな、身長計つきのバスタオル。

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 こうすると身長の変化のほかにも、身頃をボタンではなく紐で結ぶコンビ肌着+ちいさなラトル程度だった低月齢から、首が座ってかぶりの服が着られるようになったり、おきあがりこぼしで遊べるようになったりと、順を追って身体・内面ともども成長の過程を辿れる、われながら良企画! と自画自賛しつつ撮っていたのだけれど、今月は水ぼうそう真っ最中の、すごいありさまの写真になりました。
 だってなんか、顔面が、かさぶたまみれで、豹柄……。『ブラックジャック』に、難病の患者として出てきそう。
 月例写真はいずれフォトブックにまとめようと思っていたのに、断念したくなるようなすさまじさです。
 でも、これもいつか、よい思い出になったりするのでしょうか……。するのかな……、どうなのだろう。
 と、そんなわけで、娘は11ヶ月児です。えっ、ということはこのひと、あとひと月しか0歳児じゃないの、我が家に0歳児がいる生活もあと1ヶ月だけなの、と気づいたときに、えええーっ、という気持ちが湧きおこりまして、この「えええーっ」のニュアンスを解剖すると、まず驚きと、そして、「あーあ」みたいな、「ちぇっ」みたいな、ようするに「ざんねんだなあ」という気持ちだったことに、さらにびっくりしました。
 そ、そんなに気に入っていたの? 0歳児がいる生活。ああでも、私、11ヶ月まえ、出産が痛くて苦しくてつらくて、「もう二度と産まない!」と思っていたのに、「0歳児がもういちど我が家にくるなら、もう1回くらい、いいかな……」レヴェルに態度が軟化している……。
 すごいな0歳児! 
 この11ヶ月間というもの、「かわいい」と「しんどい」が交互にやってきて、どっちかというとしんどいときのほうが多かった気がするけれど(そもそも「しんどい」と思わないようにやりすごしている時間も、現在進行形で、存在する。行きたくなってもどうせ行けないから、展覧会や映画の情報をシャットアウトしたり)、それでも結論としては「もう1回アリ」に落ち着いた、というのは、なかなか、予想外の出来事でした。
 すごく痛いことのあとに、それを打ち消すようなとてもかわいい生き物がやってくる、というのは、種としての生存戦略なのかしら。
(しかし11ヶ月まえの自分に告げてもぜったい信じないと思うわ)
 ……まあ、だからといって、すぐに「では、娘に弟か妹を……」となるようなアクティヴなタイプでは夫婦ともどもまったくないので、残るひと月、0歳児がいる生活をだいじに味わいつつ楽しみつつ、来るべき「1歳児がいる生活」に備えたいと考える所存です。