『ことりっぷ』が役に立たないフェーズ

 主人の夏休みがここのかかん! だったのですが、1歳児のいる夏ですので、長旅を満喫するようなこともなく、泊りがけで帰省するべき実家もなく(どっちも市内だし)、だいぶ宝の持ち腐れ感がありました。以下、家族3人で過ごしたおもなできごとを箇条書きにしますと、

  • 地元の子育て支援センターへ。たまたま身体測定の日だったので測定してもらったところ、注射されると勘違いして、娘、大泣き。まあ、1歳児に、身体測定と予防接種の違いを察しろと要求してもむりだよね。74.3cm、9.3kg。思ったより軽かったけれど、予想の範囲内ででぶめです。
  • 近所のショッピングセンターへ。帰省組の多い地域なので、客足スカスカ。いつもは混んでいて遊べないプレイルームを独占して、娘は有頂天で高速はいはいをしていました。うすうす感づいてはいたけど、うちの娘、同世代がいないとイキイキするな……。
  • 「これだけ世の中が帰省しているなら、支援センターはだいぶ空いているのでは?」と、すこし離れた地域の支援センターへ。地元民が少なかろうと踏んだんだけれど、行ってみたら、おんなじ地元の親子さんたちも足をのばして遊びに来ていました。帰省しない組がみーんなおんなじこと考えている。
  • 主人の実家へ。日帰り。娘が初めて、つかまらずに自立。2秒くらい。つかまり立ちが春先だったので、長かったなあ……、やっぱり、でぶめだから……。「立った、立った!」とおとなたちが喜んでいたら、娘がそれを訊き憶えて、自立しながら「タッタ、タッタ!」と叫ぶように。な、なにか誤った学習をさせてしまった気がする。試しに「タッタして?」と声をかけると、立つ。立って「タッタ!」と叫ぶ。過去形の女……。あと、直立しながら「タッタ」と言う1歳児は、天上天下唯我独尊と宣言するお釈迦様のようでもありました。

 とまあ、自宅およびその周辺で消費した9連休でした。
 ところが、最終日あたりにもうやることがなくなって、「世の中の1歳児のいるご家庭はどうやって夏休みをすごすの?」とネットで調べたところ、いまは観光地のホテルって、ビュッフェに離乳食メニューがあったり、内風呂にバスチェアがあったり、赤ちゃん連れ客に至れりつくせりなんですね。いや、私が気づいたのがいまだっただけで、以前からそうだったの? 知らなかった! だってだって、うちにある旅行のダイドブックはみんな『ことりっぷ』なんだもの〜! 

『ことりっぷ』が役に立たないフェーズに、人生が至った、……というのは、来し方を考えると、象徴的な出来事のような気がしました。うちの主人、乙女ちっくだから、「ほっこり隠れ家カフェ」だの「ごほうびエステ&スパ」だのが旅に欠かせなかったけれど、これから、われわれの家族旅行に必要なのは、「お子様メニュー対応レストラン」や「おむつ替えシートのあるお手洗い」の情報なのね。落差が激しすぎてくらくらしてきた。