自発的で、文化的な

 娘(1歳2ヶ月)が、お母さんの腕を自分の両手でつかんで、
「こちょ!」
 と唱えた。
 なにごと……? と思ったけれど、きのう、こちょこちょ! と体をくすぐったら大ウケだったので、あれをもっかいしろ、というリクエストだったみたい。
 これまで娘からの働きかけというと、
「お腹減りすぎて死ぬ!」
「眠たいのに眠気の波に乗り損ねた!」
 といった、まあ、それは生命に関わるよね、という事案はとにかく号泣でのみアピールされ、
「バイバイ」
「コンニチハ」
「アリガトー」
 といった類はジェスチャーつきで口にするものの、促されてやる感が強く、インコやオウムでもこれくらいの芸はするレヴェルなので、この、
「お母さんの手をとって『こちょ』と発声する」
 は、ずいぶん自発的で、文化的な行動のように感じられたのでした。
 ……まあ、内容は「こちょこちょ」なんだけど!
 成犬の知能は3歳児程度ときいて以来、じゃあうちの娘はいまのところどっちかというと人間より小動物に近そうだなあと思っていたけれど、けっこう、人間ぽくなってきました。