珈琲とヨーグルトの化合物

 朝、ぼーっとしていて、カフェオレをつくるつもりだったのに、珈琲の入ったグラスに注いだのが、牛乳じゃなくていわゆる「飲むヨーグルト」だった。牛乳in珈琲ではありえない、もったりした対流が水面に起こっていたので気づいた。
 でも、
「そういう飲み物、東南アジアあたりにあるんじゃない? 香港にも珈琲と紅茶を混ぜた鴛鴦茶があるし」
 と考えて、(いま振りかえってみると、この時点でもまだ頭がぼーっとしていた証左だとしか思えない)ひとくち含み、
「……東南アジアのひとに謝らなければいけない……」
 という結論に達しました。
 珈琲の苦みとヨーグルトの酸味のマリアージュが、「即離婚!」って感じ。
 そうだよね! 珈琲とヨーグルトの化合物がおいしかったら、とっくにグリコあたりが商品化してロングセラーにしているよね!! ないってことは、そういうことなんだよ!
 しかしそれに比べると鴛鴦茶のおいしさは奇跡としかいいようがないな……。
 ものすごくひさしぶりにものすごくおいしくないものを味わって、まずいってこういうことかと、頭を殴られるようなショックでした。あんまり意識していなかったけれど、ふだん、おいしくはなくてもまずくはない、そこそこの水準の味のものばかりを口にしていたのねえ。