人生これでなんどめ

「コンニチハ」と「アリガトー」は、この絵本の読み聞かせで勝手に習得したので、

ごあいさつあそび (あかちゃんのあそびえほん)

ごあいさつあそび (あかちゃんのあそびえほん)

 二匹目の泥鰌的に、こちらを娘(1歳4カ月)に与えたところ、
いただきますあそび (あかちゃんのあそびえほん)

いただきますあそび (あかちゃんのあそびえほん)

 おもむろに絵本のなかのごちそうの絵に手を伸ばしたかと思うと、「食べ物をヒョイッとつまんでパクっと頬張り、モグモグ咀嚼してゴックン嚥下する」という一連の動作のまねっこははじめたので、
「ベテラン保育士か、おまえは……」
 と母はドンびきしました。
 母はそんな手慣れたことやってみせたことないよー。父が教えたの? と主人に確認しても、こちらもやったことがないそう。
 じゃあなんなのそれ前世の記憶? あなた人生これでなんどめなの? と問い詰めたくなるようなスムーズな流れでした。
 そのうえに、さいごには、一生懸命教えたのにちっともやってくれないから、憶えるのむずかしいのかなー、となかばあきらめていた「おいしい」のベビーサインまで、とどめのようにくりだしてきました。
赤ちゃんとママのベビーサイン―お手てで話すともっともっと楽しくなるよ! (セレクトBOOKS)

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 そっかあ、憶えてなかったわけじゃなくて、憶えてたけれど、やらなかっただけなのね……。
「母の手料理は、絵本のごちそうの絵に、『おいしさ』で負けた」
 なんだろうこの敗北感。でも、フィクションのもつ力、絵本のすばらしさを伝える、よいエピソード……なのか?