『ミセスの』のあれ
本格的に寒くなってきたので、ひきつづき、衣替えをしております。
しかし、だ! ことしはまだ11月なのに、むちゃくちゃ寒くない? たしかに秋が来るのは早かったが! きょねんは、雪はたくさん降ったけれど、こんなに寒かったっけ……。
と記憶を辿ってみたところ、きょねんの冬は、体温の高い娘が3時間おきに眠くなるので抱っこばかりしていたし、おととしは、そもそも娘がお腹にいて内部からぽかぽかしていたしで、ここ数年の私の体感温度データはまったく参考にならないという事実がうきぼりになっただけでした。
それにしても寒さは切実なので、とうとう、部屋着をタートルネックで統一してしまいました。これまでの冬の部屋着の定番、厚手の長袖クルーネックは、もうぜんぜん暖かさが足りないので、お払い箱です。
ヒートなんとか系の素材のタートルネックだと、なんだかインナー感があって、宅配等の対応には出られないので、うえから半袖Tシャツを重ね着。
こうすると、肩まわりやウエストがカバーされ、よりあたたかいうえに、ちょっと水仕事をするときなどは、袖口がもたもたしないので、割烹着をかぶる必要もなくて、らくちん! という新発見がありました。
でも夜や、もっと季節が進んだら、もすこし暖かいものを羽織りたいなあ。ウールの毛糸で、そんなものを編もうかなあ。半袖で、腰くらいまでの長さで、かぶれば着れちゃうの。そんな編み図が見つかるかなあ……。
と、ここまで考えて、
「『ミセスの』ってタイトルについてる秋冬の編み物本は、そんなのばっかり載ってるじゃん!」
と気づきました。
あの、チュニックと呼ぶには短い丈の、半袖やキャップスリーブのプルオーバーね!
いったいどこで流行ってるんだこれ? と書店で立ち読みしていつもふしぎに思っていたあれらは、流行とかじゃなくて、防寒と利便性を追及して生まれたデザインだったのか!!
この世にはふしぎなことなどなにもないわね!
……と、積年の謎がとけた爽快感と、
「私、あの『ミセス』枠には、あと20年は自分は含まれないと思っていたのに……!」
という衝撃とでないまぜになった、35歳、来年は年女(12年ぶり3回目)の晩秋でした。
っていうか、寒く感じるのって、ようするに加齢……。
すると、『ミセスの』春夏本に山ほど載っている、レーシーなかぎ針のベストやボレロ(たいていグラデーションカラー)も、必要性がしみじみとわかる日が、そのうち訪れるのでしょうか。そうなのか? グラデーション……?
衣替えとかいっているレベルではない、お洋服のパラダイムシフトに忍び寄られつつある気がするわ……。