『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』

 おもしろかったです。予想外なほど!
 前作『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』*1は、『アベンジャーズ*2の前ふりのお話のなかでは個人的にはあんまり……だったので、低ーい予想をしていたんだけど、いやはや、『アベンジャーズ』以降の作品群だと、ダントツの出来ばえ。
 しかしストーリーとしてはおもいっきり「前作からつづく」にして「次作へつづく」なのでした。
(シリーズものってまじめに観ていくとおもしろさが積み重なってごほうびのように膨らんでいくのが醍醐味だけれど、ほかにひとに気軽におすすめしづらいという欠点があるよね)
 キャプテン・アメリカことスティーヴも、彼のマドンナであるぺギーも、親友のバッキーも、ふたたび会うことができたのに、かつてとはあまりにも多くのことが変わってしまった……というところが、別離よりなお苦い味で、とても好みでした。
 今回は吹き替え版で観たのですが、スティーヴの、いまでこそハンサムでマッチョだけれど、じつは人生のうち長いことスクールカーストの下の方で生きてきた、繊細な内面がよく表現されていて、おおっ! となりました。このひとの魅力は、こういうギャップにあったのかー! ご本人の肉声より吹き替えのほうが、それが強調されているんじゃないかしら。

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温度低い

 娘が「パパ」と発音して、主人は大感激。
 どれくらい感激していたかというと、主人の日記帳のこの日のページの「パパ」の字が、2行ぶん罫線ぶちぬきの大きさのうえ、下線つきで強調されていました(盗み読み)。よろこび加減がよく伝わってくる筆ぶりというかフォントいじりです。
 それじゃあ、「ママ」は? というと、娘が11ヶ月くらいのころから、たまに、
「まんまんまんまー」
 と泣きながら発音するときがあって、
「ママ? まんま? でもいまはお腹が減っている時間帯じゃないし、語りかけのときは『ママ』じゃなくて『お母さん』て自称しているし。はて?」
 と「判断保留」にしていたのですが、あれは「ママ」だったね、と決定しました。
 しかしm音だのp音だのは赤ちゃんが発音しやすそうな音だし、どこまで意味がわかって発語しているのだろうか……。
「コチョ」のとき(id:moony:20140825#p1)と比べて(そして主人の感激ぶりと比べて)、やや温度低い反応になってしまう母でございます。

珈琲とヨーグルトの化合物

 朝、ぼーっとしていて、カフェオレをつくるつもりだったのに、珈琲の入ったグラスに注いだのが、牛乳じゃなくていわゆる「飲むヨーグルト」だった。牛乳in珈琲ではありえない、もったりした対流が水面に起こっていたので気づいた。
 でも、
「そういう飲み物、東南アジアあたりにあるんじゃない? 香港にも珈琲と紅茶を混ぜた鴛鴦茶があるし」
 と考えて、(いま振りかえってみると、この時点でもまだ頭がぼーっとしていた証左だとしか思えない)ひとくち含み、
「……東南アジアのひとに謝らなければいけない……」
 という結論に達しました。
 珈琲の苦みとヨーグルトの酸味のマリアージュが、「即離婚!」って感じ。
 そうだよね! 珈琲とヨーグルトの化合物がおいしかったら、とっくにグリコあたりが商品化してロングセラーにしているよね!! ないってことは、そういうことなんだよ!
 しかしそれに比べると鴛鴦茶のおいしさは奇跡としかいいようがないな……。
 ものすごくひさしぶりにものすごくおいしくないものを味わって、まずいってこういうことかと、頭を殴られるようなショックでした。あんまり意識していなかったけれど、ふだん、おいしくはなくてもまずくはない、そこそこの水準の味のものばかりを口にしていたのねえ。

2014年8月に読んでいた本

 長期休暇のある月は、漫画をがっつり読むことができる、ゆいいつのチャンスです。
 なので、週刊誌掲載の作品の巻数の進みっぷりにくらくらします。
 おつぎは年末年始かなー。

2014年8月の読書メーター
読んだ本の数:23冊
読んだページ数:4668ページ
ナイス数:97ナイス

もやしもん(13)<完> (モーニング KC)もやしもん(13)<完> (モーニング KC)感想
前巻にもにょもにょしていたので、大団円でよかったです。最終巻で沢木がいままでになく主人公っぽい力を発揮していた。でも主人公級に内面が掘り下げされたのは蛍で、いちばん成長したのは及川さんだったなあ。
読了日:8月15日 著者:石川雅之
きのう何食べた?(8) (モーニング KC)きのう何食べた?(8) (モーニング KC)感想
ケンちゃんの実家ってどこだっけ? 県南ならシロさん通勤できるじゃんね! と思ってしまった。
読了日:8月15日 著者:よしながふみ
昭和元禄落語心中(4) (KCx ITAN)昭和元禄落語心中(4) (KCx ITAN)感想
『死神』を演じる菊比古が色っぽいなー。
読了日:8月15日 著者:雲田はるこ
聖☆おにいさん(10) (モーニング KC)聖☆おにいさん(10) (モーニング KC)感想
サンダルフォンさんがむっちゃ好みです。断食でハイになっているブッダはかわいいなあ。子宮口だのイヤイヤ期の2歳だの、お母さんらしいネタが多かったです。
読了日:8月16日 著者:中村光
大奥 10 (ジェッツコミックス)大奥 10 (ジェッツコミックス)感想
いちばんたくさんの人間が死んでしまった巻ではないか。黒木やその子孫はいつか再登場するのかなあ。
読了日:8月16日 著者:よしながふみ
さんすくみ 7 (フラワーコミックスアルファ)さんすくみ 7 (フラワーコミックスアルファ)感想
約200万円を上納しても正座6時間が3時間にしか減らないなんて、恭太郎くんのお母さんは鬼だなあ。
読了日:8月16日 著者:絹田村子
ヴィンランド・サガ(14) (アフタヌーンKC)ヴィンランド・サガ(14) (アフタヌーンKC)感想
ものすごくよい和解シーンのあと、主人公の顔がボッコボコって。かっこつかない。でもかっこつかないときも人生にはあって、それを呑みこまなければならない、というのがオルマルのエピソードだったね。
読了日:8月16日 著者:幸村誠
昭和元禄落語心中(5) (KCx(ITAN))昭和元禄落語心中(5) (KCx(ITAN))感想
小夏さんの発言のなぞがやーっと解けて、時間軸はふたたび与太郎の時代(しかも、ちょっと進んだ)へ。こうして考えると昭和って長い長い時代だったんだなあ。江戸の気配のまだ残る初期から、戦後、高度成長期、そしてバブル!
読了日:8月17日 著者:雲田はるこ
銀の匙 Silver Spoon 9 (少年サンデーコミックス)銀の匙 Silver Spoon 9 (少年サンデーコミックス)感想
いろいろ出来事があったのに、「ソーセージは羊の腸で、フランクフルトは豚の腸」しかおぼえてないや…。
読了日:8月17日 著者:荒川弘
銀の匙 Silver Spoon 10 (少年サンデーコミックス)銀の匙 Silver Spoon 10 (少年サンデーコミックス)感想
駒場くん復活か?! 八軒くんも、アキちゃんも、相川くんも、進路どうなるんだろうと心配なんだけど、それに大川先輩も加わった。稲田さんと常盤くんはそれぞれ両極端な方向にどうにかなりそうで安心なんだけど…。
読了日:8月17日 著者:荒川弘
銀の匙 Silver Spoon 11 (少年サンデーコミックス)銀の匙 Silver Spoon 11 (少年サンデーコミックス)感想
八軒くんの起業の件、やりたいことがまだうすぼんやりしているなら、大学に行きつつそれを明確にするのもいいんじゃないの、と思う私はおばさんなんだろうなあ。一年が終わって、高校生活残り二年。
読了日:8月17日 著者:荒川弘
ちはやふる(23) (BE LOVE KC)ちはやふる(23) (BE LOVE KC)感想
ちはやと新にすごい進展があったのに、名人とのエピソードがたたみかけてきて、もどかしい! でもおもしろい! 筑波家が1対1を2組できるようになったのは、いいクリスマスプレゼントだなあ。
読了日:8月17日 著者:末次由紀
ちはやふる(24) (BE LOVE KC)ちはやふる(24) (BE LOVE KC)感想
詩暢ちゃんのお祖母さんが大振袖(動きにくい!)を勝手に用意してしまうのは、孫を見栄えのいい広告としてしか考えていないから? というくだり、猪熊元クイーンの「身八つ口から授乳」のときもそうだったけど、この漫画は和服をからめたエピソードがちょくちょく印象的。
読了日:8月17日 著者:末次由紀
マギ 20 (少年サンデーコミックス)マギ 20 (少年サンデーコミックス)感想
紅さんちの子たちが魔装して戦っていると、どれがだれだかわからなくなる…。モルジアナはレームのファナリスたちに会えてよかったね!
読了日:8月17日 著者:大高忍
マギ 21 (少年サンデーコミックス)マギ 21 (少年サンデーコミックス)感想
1冊の前半と後半でアリババくんのかっこよさ(かっこ悪さ)の乱高下が激しいよ! モルジアナと心が通い合ったような、次元が違ってけっきょく通い合ってないような…? マスルールの台詞はいずれ起こることを暗示していそうで不穏です。
読了日:8月17日 著者:大高忍
グラゼニ(13) (モーニング KC)グラゼニ(13) (モーニング KC)感想
ユキちゃんとのエピソードが畳みかけてきた。でも「プロポーズ大作戦」の表紙でいちばん面積が大きいのがおかみさんというあたりがなんとも。
読了日:8月17日 著者:アダチケイジ
グラゼニ(14) (モーニング KC)グラゼニ(14) (モーニング KC)感想
ダーティ桜塚が出てくるとべつの漫画みたいな雰囲気になる。「ざわざわ…」とか「ぐにゃあ」とか聞こえてきそうな。
読了日:8月17日 著者:アダチケイジ
GIANT KILLING(29) (モーニング KC)GIANT KILLING(29) (モーニング KC)感想
スカルズのリーダーが塾講師と知るや、コータの勉強をみることをペナルティに科してくるあたり、コータのお母さんはやり手だなあ。お父さんが多少不在でも田沼青果は安泰な気がする。いじられ役の赤塚くんといい椿と窪田くんのコンビといい、U-22はかわいいなあ。そして村越キャプテンのターン。杉江さんも気になる。
読了日:8月18日 著者:ツジトモ
GIANT KILLING(30) (モーニング KC)GIANT KILLING(30) (モーニング KC)感想
タッツミーがこんなに体をはって選手たちを煽るなんて、空前絶後なんじゃないかしら。ミニゲームのチーム分けだとか、王子は自分に酔っているようで、じつは自分も周囲もものすごく客観視している。つまり、空気が読める。でも、ふだんは読むだけ! 前巻から気になっていた村越キャプテンと杉江さんはなるほどの展開。
読了日:8月18日 著者:ツジトモ
GIANT KILLING(31) (モーニング KC)GIANT KILLING(31) (モーニング KC)感想
タッツミーも椿も失うものはほとんどないけれど、監督として選手としてほぼ背水の陣の不破監督・川瀬さんは違うよー、という巻。
読了日:8月18日 著者:ツジトモ
ONE PIECE 74 (ジャンプコミックス)ONE PIECE 74 (ジャンプコミックス)感想
巻の終わりの方で1ページ使って顔芸ドアップって、前巻もそうじゃなかったっけ? ルーシーの正体が、じつはあのひとなんだろうけれど、なかなか明かされなくて、もだもだします。
読了日:8月18日 著者:尾田栄一郎
育児ばかりでスミマセン。育児ばかりでスミマセン。感想
「育児ばかり」とタイトルにはあるけれど、前半は『ツレうつ』ドラマ化の話題が多かった印象。なので、1歳半健診でちーとくんに発達の遅れが発覚してすごくびっくりした。それを予想させる描写があまりなかったので…。「育児するツレさんが思考したこと」がメインなんだよね。女性の子育てエッセイはなんだかんだでまず子どもの描写、それに対する親のリアクション、という流れが多いので、そこが特徴的。子育てのファーストパーソンの負担についてはそのとおり、と思った。
読了日:8月21日 著者:望月昭
機動戦士ガンダム〈3〉 (角川文庫―スニーカー文庫)機動戦士ガンダム〈3〉 (角川文庫―スニーカー文庫)感想
アニメとは全然違う、そしてバタバタとした終幕。まあ、ギレンを追い詰めるのには連邦軍が一枚噛んでいた方がスカっとするよね。マルガレーテといいセシリアといい秘書兼愛人タイプが幅を利かせて、のちのナナイも含めてお腹いっぱい。小説版のシャアはジ・オリジンのギラギラしたシャアと比べると、あんまり好きになれるところがないなー。3巻でやっと気づいたけれど巻頭の登場人物紹介がアニメ版の設定だ。発刊時にだれも気づかなかったの…。
読了日:8月26日 著者:富野由悠季

読書メーター

自発的で、文化的な

 娘(1歳2ヶ月)が、お母さんの腕を自分の両手でつかんで、
「こちょ!」
 と唱えた。
 なにごと……? と思ったけれど、きのう、こちょこちょ! と体をくすぐったら大ウケだったので、あれをもっかいしろ、というリクエストだったみたい。
 これまで娘からの働きかけというと、
「お腹減りすぎて死ぬ!」
「眠たいのに眠気の波に乗り損ねた!」
 といった、まあ、それは生命に関わるよね、という事案はとにかく号泣でのみアピールされ、
「バイバイ」
「コンニチハ」
「アリガトー」
 といった類はジェスチャーつきで口にするものの、促されてやる感が強く、インコやオウムでもこれくらいの芸はするレヴェルなので、この、
「お母さんの手をとって『こちょ』と発声する」
 は、ずいぶん自発的で、文化的な行動のように感じられたのでした。
 ……まあ、内容は「こちょこちょ」なんだけど!
 成犬の知能は3歳児程度ときいて以来、じゃあうちの娘はいまのところどっちかというと人間より小動物に近そうだなあと思っていたけれど、けっこう、人間ぽくなってきました。

『ことりっぷ』が役に立たないフェーズ

 主人の夏休みがここのかかん! だったのですが、1歳児のいる夏ですので、長旅を満喫するようなこともなく、泊りがけで帰省するべき実家もなく(どっちも市内だし)、だいぶ宝の持ち腐れ感がありました。以下、家族3人で過ごしたおもなできごとを箇条書きにしますと、

  • 地元の子育て支援センターへ。たまたま身体測定の日だったので測定してもらったところ、注射されると勘違いして、娘、大泣き。まあ、1歳児に、身体測定と予防接種の違いを察しろと要求してもむりだよね。74.3cm、9.3kg。思ったより軽かったけれど、予想の範囲内ででぶめです。
  • 近所のショッピングセンターへ。帰省組の多い地域なので、客足スカスカ。いつもは混んでいて遊べないプレイルームを独占して、娘は有頂天で高速はいはいをしていました。うすうす感づいてはいたけど、うちの娘、同世代がいないとイキイキするな……。
  • 「これだけ世の中が帰省しているなら、支援センターはだいぶ空いているのでは?」と、すこし離れた地域の支援センターへ。地元民が少なかろうと踏んだんだけれど、行ってみたら、おんなじ地元の親子さんたちも足をのばして遊びに来ていました。帰省しない組がみーんなおんなじこと考えている。
  • 主人の実家へ。日帰り。娘が初めて、つかまらずに自立。2秒くらい。つかまり立ちが春先だったので、長かったなあ……、やっぱり、でぶめだから……。「立った、立った!」とおとなたちが喜んでいたら、娘がそれを訊き憶えて、自立しながら「タッタ、タッタ!」と叫ぶように。な、なにか誤った学習をさせてしまった気がする。試しに「タッタして?」と声をかけると、立つ。立って「タッタ!」と叫ぶ。過去形の女……。あと、直立しながら「タッタ」と言う1歳児は、天上天下唯我独尊と宣言するお釈迦様のようでもありました。

 とまあ、自宅およびその周辺で消費した9連休でした。
 ところが、最終日あたりにもうやることがなくなって、「世の中の1歳児のいるご家庭はどうやって夏休みをすごすの?」とネットで調べたところ、いまは観光地のホテルって、ビュッフェに離乳食メニューがあったり、内風呂にバスチェアがあったり、赤ちゃん連れ客に至れりつくせりなんですね。いや、私が気づいたのがいまだっただけで、以前からそうだったの? 知らなかった! だってだって、うちにある旅行のダイドブックはみんな『ことりっぷ』なんだもの〜! 

『ことりっぷ』が役に立たないフェーズに、人生が至った、……というのは、来し方を考えると、象徴的な出来事のような気がしました。うちの主人、乙女ちっくだから、「ほっこり隠れ家カフェ」だの「ごほうびエステ&スパ」だのが旅に欠かせなかったけれど、これから、われわれの家族旅行に必要なのは、「お子様メニュー対応レストラン」や「おむつ替えシートのあるお手洗い」の情報なのね。落差が激しすぎてくらくらしてきた。

『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』

 タイトルはソーなんだけど、その弟、ロキが主人公みたいな映画でした。
アベンジャーズ』(id:moony:20120922#p1)でも悪いことをやった結果、収監されてしまうロキ。獄に繋がれた他のわるものが牢屋破りをしたとき、たぶん、これで兄たちがすこし痛い目でも見ればいいや、とでも思って秘密の通路の存在を教えてしまうのだけれど、その結果、ロキのたいせつなひとが失われてしまい大ショック。しかも自分がそれほどショックをうけるくらいに相手をたいせつに思っていたことに失ってから気づいてもうやけくそ! ……というのが今作のロキです。こう書くとどうしようもないな、ロキ。
 でも、隙あらば他者を唆すロキは、しかし、己の内なる自分が発する「他者を唆せ」という声に抗えていないのだろな、というところがなんともセクシーなんですね。『アベンジャーズ』でのまぬけで憎めない敵役だったロキも好きだけれど、地球より異世界アスガルドが舞台のほうが、トム・ヒドルストンの、正統派ハンサムではないものの雰囲気のある、芝居がかった演技が映えるのでした。
 いっぽう、ほんとうの主人公のソー。「このひと、前作(id:moony:20120506#p1)の笑顔とかすっごくすてきだったでしょ? 憶えてますかみなさん? これで思い出します?」という声が聞こえてきそうな、むだに長いアップのシーンが多々あって、「憶えています、憶えています」と首肯しながら観ました。
 クリス・ヘムズワースもやっぱり正統派ハンサムというのとはすこし違うのに魅力的で、ついつい見入ってしまう。このひとの芋かわいさは若いころのブラピのそれと一脈通じるものがありますね。『リバー・ランズ・スルー・イット』のときにはたしかにあったのに、『セブン』や『12モンキーズ』のころにはもう失われていた芋かわいさね。『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』では似合わないヴェルサイユ的な衣装を着せられているうえに、よりによって正統派ハンサムのイコンであるところのトム・クルーズが隣にいるという対比のせいで「こ、このひとはハンサムなの? ただのゴリラなの??」と困惑しながら注視した結果、「ゴリラとハンサムは両立するな」と納得させられてしまうあのふしぎな魅力ね。いまのクリス・ヘムズワースにはそれがある。なにが源なんだろう? 若さ?!
 ……と、二十年ものあいだ、こころのなかだけに留めておいた「ブラピってゴリラ系ハンサム」というきもちを、はからずも吐露するはめになってしまいましたが、これは『ダーク・ワールド』の感想です。っていうかこの文章、「ハンサム」って単語がこれで7回も出てくる。えっと、ストーリーのほうは、ひと言でいうと、「平和は遠そうだなあ」という感じです。あと「地球側のロケーションがイギリスなのは、アメリカだとキャプテン・アメリカやアイアンマンが出張ってきちゃうからだろうなあ」とかとか。まあ平和になったら『アベンジャーズ』シリーズ終わっちゃうからね。ひきつづき、ロキには地球に現れて場違いにノーブルなスーツ姿を見せてほしい(今作はそれがなくてすごくざんねん)、クリス・ヘムズワースにはその芋かわいさを維持していただきたい。つぎは『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』です!